『公的年金資産5兆円減!!』とショッキングな見出しで多くの報道機関が
 伝えていた公的年金の運用。皆さんは、どう感じられましたか?

 僕はとても偏った報道だと感じました。そもそも公的年金の資産運用は、
短期的には増えたり減ったりしながらも、長期的には年金財政上必要な利回り
を確保することを目的としています。2015年の運用は収益としては、
▲5兆3098億円(収益率▲3.81%)でしたが、GPIFが市場運用を
始めた2001年以降2015年までの累計収益は、45兆円を超えています。
なのに『公的年金資産運用が累計で45兆円の増加!!』とは、どの報道機関も
僕の知る限りでは伝えていません。

 今回の報道機関の伝え方や、また一部政治家の方々が年金運用の短期でのマイナスを
問題視されたりすることは、日本における資産運用に対する偏った見方、厳しく言えば
基本的な運用知識のなさ(金融リテラシーの低さ)を露呈しているともいえます。

 年金運用を任されているGPIFの運用方針は、個人の資産運用の原則と同じです。

①長期投資でじっくり運用(なので短期の上げ下げに一喜一憂しない)
②分散投資でお金を守る(国内株式や海外株式、海外債券に分散必要、国内債券=国債の

比率が高い方が長期的にはリスク高い)のふたつです。

 今回の報道がキッカケで自身の資産運用について、勉強しなおそうという方が増えれば
いいな!と思います。